新しいものとベタなもの【#210. Sand Customer】
妥協記録
同じギターでもさまざまな音の出しかたがある。
アコースティックにポロンと弾くやさしい音。
ロックンロールにジャカジャーンと鳴らす解放感のある音。
ハードメタルにゴリッゴリっと低音が身体全体に響きわたる音。
同じものとは思えない音が出る。
弾き手の趣向によって、
出したい音を選べる。
何が正しいとか、何が間違いとかではなく、
自分の好み、
好き嫌いで判断したい。
セオリー
曲作りにおいても、
好き嫌いで判断する場面が多いが、
好き嫌いで判断できない場面も同じくらいある。
いわゆるセオリーというやつで、
理論的に作られた音楽ルールである。
セオリーから外れると、
親しみが薄れ、
心地よさが軽減してしまう。
今までリスナーが経験したことのない要素が増えるからだ。
その”バランス感覚=音楽センス”とも言われている。
クリエイター側は、
みんなが驚く新しいモノを提供したい。
しかし、
多くの人は、
新しいものより、
経験したことがあるものが好きなのだ。
どちらも
新しいものとベタなもの。
そのどちらの感覚も持ち合わせているアーティストは、
長年、第一線を活躍している。
新しいものとベタなものを、
深く理解しておくことは、
モノづくりの表現方法の一つとして、
信頼できる武器になる。
手札が多いに越したことはない。
大衆性のありなし関係なく、
どちらからも吸収できるものがある。
Sand Customer(2019)
- シンセサイザーを基盤に制作
- Logic Pro Xプリセットを基盤にサウンドメイク(以下参照)
- シンセサイザーは”Bleep City”と”Erratic Motion”
- 木管楽器は”Celtic Tin Whistle”
- リズムマシンは”Epic Electro”
Daily Memo
藤原:タイアップのときに、コラボさせていただく作品がある場合、相手方の作品に寄っていこうとしてはいけない。そうなってしまうと寄り添えない。先方が表現してきているもの、そして我々が表現してきたもの、そこに重なるものがあれば、何も意識せずに真剣に曲を書けば、絶対にそれは同じ方向を向けるものになるので、そういうところで僕は書くようにしています。
BUMP OF CHICKEN・藤原、タイアップ曲を作るときに意識すること
【引用】J-WAVE NEWS